課題曲説明会2025 開催レポート
2025年7月9日水曜日
2025年6月27日(金)、昨年度に引き続き、ピアニスト・指導者として世界で活躍されている赤松林太郎先生をお迎えし、「ショパンランドコンクール課題曲説明会」を東音ホールとオンライン(Zoom)にて開催いたしました!
説明会の概要
赤松 林太郎
<プロフィール>
パリ・エコール・ノルマル音楽院高等演奏家資格首席取得。
現職は大阪音楽大学准教授、洗足学園音楽大学客員教授、宇都宮短期大学客員教授、ブダペスト国際ピアノマスタークラス教授、カシオ計算機株式会社アンバサダー。
幼児部門~中学部門の課題曲の中から抜粋し、下記10曲を取り上げていただきました。

課題曲全曲は、こちらのページよりご確認ください。
開催レポート
今年度の課題曲説明会では、「若きポーランド」の時代に焦点を当てながら、
全10曲を多角的に解説していただきました。
クラコヴィアク(K.セロツキ作曲)では、クラコフ地方の文化的背景や、北部・中部とは異なる南部の明るく複調的な響きが丁寧に紹介され、当時の楽器ならではの響きについても触れられ、音の違いを想像するきっかけになりました。
F.リビツキの作品、浮かれたポルカでは、リズムに乗せた横の流れを大切にしながら、「浮かれた」若々しさに「若きポーランド」の精神が重ねられました。
また、昨年度の小学5・6年生の課題曲「茶庭の灯籠」が今年度の3・4年生の課題曲に登場し、a mollに漂う“侘び”とポーランド人作曲家の感性にも触れていただきました。
日本文化の影響やパリでの芸術交流なども紹介され、モダンな響きが「若さ」や「新しさ」と結びついていることが印象的でした。

今年度小学3・4年部門課題曲のショパン作曲《小犬のワルツ》では、赤松先生が3つの視点から丁寧に解説してくださいました。
調性ごとの弾き分けや、円舞曲の性格、ショパン特有の“響き”で語るクレッシェンドなど、学びの多いひとときでした。
先生の奏でる音の広がりは、まるで空間をやさしく包み込むような、心に深く残る演奏でした。
ペダルや連打、グリッサンドといった奏法面も具体的に取り上げられ、赤松先生の鮮やかなテクニックに多くの参加者が魅了されました。ショパンやシューマンといった他の作曲家との比較も交えながら、楽譜の読み取り方について幅広いアドバイスをいただきました。
赤松先生、ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。
今回の内容は後日ピティナeラーニングでも公開予定です。
どうぞお楽しみに♪

上の写真にも表紙が掲載されている、PWM Editionが出版した楽譜を3巻にまとめた「ポーランドピアノ作品集~ショパンの時代から現代まで~」(全音楽譜出版社/日本語の作曲家プロフィールつき)。
詳細、購入は下記の全音楽譜出版社様Webサイトよりお願いいたします。
・ポーランドピアノ作品集①
・ポーランドピアノ作品集②
・ポーランドピアノ作品集③